「地球の箱庭」を維持管理している自然保護省


ニュージーランドでは自然保護省(Department of Conservation:DOC)が、ほとんどのトレッキングコース、公共の山小屋、国立公園ビジターセンター、国立公園内のトイレや駐車場などを管理しています。DOCはニュージーランド政府の中で一番大きな役所で、1500名の自然保護官(日本の環境省の約10倍!)がニュージーランド国内に点在する14の国立公園、20の森林公園、3500もの自然保護区を管理しているほか、原生植物やニュージーランド固有の鳥の保護活動にも取り組んでいます。あなたのトレッキング中にも、DOCの緑色の標識を見たり、自然保護官が登山道を直したりしているのに出会うかもしれません。


 個人ウォーク? それとも、ガイド付ウィーク?


ニュージーランドのトレッキングには、個人ウォーク(Independent Walk)とガイド付ウォーク(Guided Walk)があります。

個人ウォークは、自己責任のもとに歩くので格安の費用で済みます。しかし、トレッキング装備の準備、山小屋の予約、交通アクセスの手配、天気予報などの情報収集、食材の買い出し、登山届まで自分で行わなければなりません。山小屋も簡素で、自分の装備や食材で荷物が重たくなります。

ガイド付ウォークは催行会社が準備や手配を行い、設備の整った山小屋に泊まるので、少し予算的に余裕がある人向けです。万が一のことを考えると安心ですし、重たい食事や装備を運ぶのが大変だと思う人、海外トレッキングは初めての人、食材の買い出しなどの時間的余裕がない人、歴史や自然などの話を深く知りたい人、健康の心配があり誰かと一緒に歩きたい人はガイド付ウォークのほうが良いでしょう。

私たちは、個人ウォークの山小屋の予約や交通アクセスの手配、登山届と救助要請用GPS端末レンタルまで、ニュージーランドのトレッキングを個人ウォークで楽しみたい方を裏方からサポートします。ガイド付ウォークの予約手配も行っていますので、お気軽にお問い合わせください。


 トレッキングのベストシーズン


ガイドをしていて一番多い質問は「トレッキングに最適な季節はいつ?」。この質問をした段階でお客さまは既にNZに来ていて手遅れなのすが。。。ぜひ、旅行を計画する前にお問い合わせください。

南半球にあるニュージーランドでは、10月下旬から4月下旬までがトレッキングのベストシーズンです。トラックへの交通機関やガイド付ウォークは夏期のみ催行されるものが多いです。5月から10月までは雪や雪崩の危険があり、フッカーバレー・トラックや町に近い場所など以外はトレッキングに適していません。

夏シーズンの初めの頃(11月~12月)は、残雪が山に残っていて写真写りがとても良く、有名なマウントクックリリーなどの高山植物が咲き乱れる時期です。しかし、10月、12月、1月、5月は雨が多くて天気が良くありません。2月から3月にかけては天候が安定します。この時期はリンドウなどの秋の花がメインです。3月中旬からは「秋の日は釣瓶落とし」のことわざ通り、一日の長さが急激に短くなってきます。太陽の高さが低くなり太陽光が柔らかくなるので、星空の写真や黄金色の景色などひと味違った写真を撮ることができます。4月末からDOCの山小屋が安い料金で予約無しで泊まれるようになりますが、5月は降水量が多くて悪天候が続きます。実は、遭難が発生しやすいのは5月です。

ミルフォードサウンドでは月の半分から3分の2が雨天、クイーンズタウンでも月の3分の1は雨の日です。4日間のミルフォードトラックや3日間のルートバーントラックを歩くときには、必ず1日は雨の日があると覚悟しておいたほうが良いでしょう。もちろん、運がいい人には4日間、大雨と言うこともあり得ます。

最後に国立水大気研究所(NIWA - National Institute of Water and Atomosphere)の気象統計を載せておきます。参考にどうぞ。

ミルフォードサウンド
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均気温(℃) 15 15 13 11 8 6 5 7 9 10 12 13
月平均降水量(mm) 720 455 595 535 595 490 425 465 550 640 550 700
月平均雨天日(日) 16 13 15 15 16 15 14 16 17 19 15 18
クイーンズタウン
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
月平均気温(℃) 16 15 13 10 7 4 3 5 8 10 12 14
月平均降水量(mm) 65 51 54 57 69 72 51 67 63 67 64 76
月平均雨天日(日) 7 6 8 8 9 9 7 9 9 9 8 10

 個人ウォーク DOCの山小屋に泊まるには?


個人ウォークの場合、DOCの山小屋または指定キャンプ場に泊まるのが一般的です。山小屋はカテゴリー毎に値段が異なり、例えば「グレートウォークス(Great Walks)」のカテゴリーになるミルフォード・トラックやルートバーン・トラックなどの山小屋では1泊NZ$130(2018~19夏シーズン・NZ国外在住者価格)、グリーンストーン・トラックなどの通常の山小屋では1泊NZ$15(通年価格)です。

クイーンズタウン周辺では、グレートウォークス(ミルフォード・トラック、ルートバーン・トラック、ケプラー・トラック、ラキウラ・トラック)、ハンプリッジ・トラックにある各山小屋と、マウントクック国立公園のミューラー小屋で事前予約が必要です。特に、ミルフォード・トラックは次の夏シーズンの予約が毎年5月下旬の予約開始から数日で満員になってしまうほどの人気。ここ数年はルートバーン・トラックやケプラー・トラックの予約も取りにくくなっていますので、予定が決まったらすぐに山小屋の予約をすることをオススメします。

個人ウォークの山小屋予約や交通アクセスの手配も承っております。お気軽にお問い合わせください。

山小屋の設備はカテゴリーによって異なります。DOCの山小屋は日本の避難小屋と同じような設備と考えて良いでしょう。通常の山小屋には、マットレス付ベッド、石炭ストーブ、テーブルと椅子、トイレ、水場といった設備があり、夏の間のグレートウォークスの山小屋には、これらの設備に加えてガスコンロがあり、管理人が駐在しています。

指定キャンプ場はさらに簡素で、テントを張る区画、東屋、トイレのみです。

DOCの山小屋泊まりの場合は、シュラフ(寝袋)、ヘッドランプ、40L以上のザック、地図、調理道具、燃料、マッチ、ナイフ、鍋、食器、水筒、洗面道具、食料などを持って行く必要があります。


 ガイド付ウォークの山小屋設備


ミルフォード・トラック、ルートバーン・トラック、グリーンストーン・トラック、ホリフォード・トラックには泊まりがけのガイド付ウォークがあります。これらのツアーには、クイーンズタウンを出発してから、トレッキングをして、クイーンズタウンに戻ってくるまでの、全ての交通アクセス、宿泊場所、食事、ガイド料が含まれています。

ガイド付ウォークの山小屋の設備は、町のホテルと同等。ダイニングやリビングもきちんと併設されていて、夕食は3コースディナー、朝食はバイキングスタイルです。ツアーによっては、何名かが相部屋に泊まるプラン、ダブルまたはツインの個室に泊まるプランがあります。シャワーや洗面台も完備しているのも嬉しいポイントです。雨で濡れた衣服を乾かす乾燥室があるので、雨が降った翌日でも乾いたウェアを着られます!

ガイド付ウォークの予約手配も承っております。お気軽にお問い合わせください。


 ニュージーランドの天気予報とトレッキングの服装


ニュージーランドは強い偏西風が常に吹いているローリング・フォーティーズ(吠える40度、Roaring Forties)に位置しています。ここの天気は“一日の中に一年の天気がある”と例えられ、日が出ると途端に暑くなり、日が陰って風が吹き始めると急に震えるほど寒くなります。一年で一番天候が安定して暖かい2月にも、南アルプスの山の中では大雪に見舞われることすらあります。

ニュージーランドでは日帰りのトレッキングでも食料と水、防寒着とレインウェアは必携。急な寒暖の差に対応できるように! ジーンズなどの綿製品は濡れると低体温症の危険があるので厳禁です。ニュージーランド産のメリノウールでできたTシャツや、ポリプロピレン製のフリースなどが保温性に優れています。防寒着にもなる上下セパレートのゴアテックス製などの透湿防水素材でできたレインウェアがベストです。


Met Service – メットサービス:
旧ニュージーランド気象庁。メットサービスが発表する警報がオフィシャルの気象警報。通常の天気予報の他、自然保護省(DOC)と共同で国立公園の週間予報を展開している。各地のDOCビジターセンターや山小屋で提供されている天気予報はメットサービスがソース。

Met VUW – メットビュウ:
ウェリントンにあるビクトリア大学地理学科のJames McGregorさんが提供する気象予報サイト。コンピュータ計算された6時間ごと一週間先までの予報図(Forecast Chart)が圧巻。風向きや雨の強度、気温などを詳しく知りたいときに参考になるサイト。

インターネット以外に天気予報を見るには

  • 夕方6時50分過ぎからテレビの1チャンネル(TVNZ One)、3チャンネルで全国の天気概要が放送されます。翌日の天気予報の他、最後にはオーストラリアの天気や週間予報もあります。
  • クライストチャーチ・プレス(The Press)、オタゴデイリータイムス(Otago Daily Times:ダニーデン)、サウスランドタイムス(Southland Times:インバーカーギル)などの地元新聞に天気予報欄があり、天気図と近隣の国立公園の短期予報が掲載されている。
  • 各地のDOCビジターセンターではMet Serviceの天気予報が掲示されています。